DX with ペイパル サブスクモデルの推進で変わる新聞社のビジネスとは? ——毎日新聞社様

2月 22日 2023 | PayPal Editorial Staff

毎日新聞社様は、紙媒体による日刊新聞のほか、リアルタイムにニュースを配信するニュースサイト「毎日新聞デジタル」のサービス提供も行っています。同社は2021年2月、AWSをベースにサブスクリプション管理システムであるZuoraを用いて新しい課金システム「Azusa」を構築し、これまで以上にユーザーである読者の体験価値向上を目指しています。オンラインの購読者が増加する中、決済手段の1つとしてペイパルを選定。同社がはじめようとするDX戦略について聞きました。

ユーザーの体験を向上させるため、ベンダー依存から内製化へ

——2021年2月に運用がはじまったサブスクリプション会員のデータ管理システム「Azusa」は、どのように生まれたのでしょうか。プロデューサーである楢本氏ら、開発に携わった方々に伺います。

デジタルメディア局 サイトビジネスグループ プロデューサー 楢本隆治氏(以下、楢本氏):実は当社がサブスクリプション会員のデータ管理システムを見直すのは3回目です。読者の満足度をいかに高めるかというユーザー体験を重視した結果の見直しです。実はこれまで導入してきた管理システムはブラックボックスの部分が多くて、私たちや読者のニーズに即時即応できませんでした。

フォーマルな服装の男性が窓際のテーブルに座って話している
<楢本氏>

デジタルメディア局 サイトビジネスグループ 今井敏氏(以下、今井氏):今回私は楢本らとともに、Azusaのディレクションを担当させて頂きました。弊社では以前からサブスクリプションのデータ管理システムを内製したものへシフトしたい思いが強くありました。理由はシンプルで、内製化する以前は、データの抽出・分析をしたい際、毎回ベンダーへ依頼をかける必要があり、アウトプットは数カ月後ということが続いていたためでした。楢本らともよく話したのですが、不確実な社会の中でこのタイムラグは致命的です。

若い男性が手を使って何かを説明している
<今井氏>

デジタルメディア局 サイトビジネスグループ ディレクター 石見由理氏(以下、石見氏):私はニュースサイトのディレクションを担当していますが、やはり決済ページをより使いやすく改修したいと思っても、時間がかかってしまうことがストレスでした。当社はCMSがすでに内製化されており、細かくカスタマイズできます。それだけに決済ページ部分だけが遅れた対応になってしまうことは良くないと考え、楢本や今井らにアイデアを出しました。

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<石見氏>

楢本氏:ちょうど今井と話をしたのが、2019年1月。二人で初詣をしながら、「変えていこう」という話しをして、およそ10ヵ月の準備期間を経て2019年11月からZuora社のSaaSを基盤として、Azusaの開発をスタートさせ、会員登録フローやユーザー認証、社内オペレーター向け管理ツールを内製でつなぎ込み、2021年2月にリリースできました。

——導入までの道のりは容易ではなかったといいます。役員会では、実際にオンラインの読者契約が伸びていることを示し、この成長を加速させるために導入することを強調したそうです。

デジタルメディア局 デベロップメントグループ チーフエンジニア 森雄司氏(以下、森氏):技術のリーダーを担当しています。楢本らから、「決まりました」と連絡をもらったのが2020年4月〜5月。元々私たちのチームでは、CMSや選挙システムを内製化してきました。

フォーマルな服装の男性が窓際のテーブルに座って微笑んでいる
<森氏>

今回、Zuoraを用いた課金システムの構築にあたっては、システム構成図を見ていただければ分かる通り、自社システム、SaaSなどを組み合わせて運用しています。自社システムは私たちが分かっているのですが、SaaSについてはいかにAzusaの設計思想とマッチして、連携がしやすいかという観点で選定しました。決済部分の1つをペイパルにしているのも、Zuoraとの連携実績がある点が大きい。やはりこういう時、連携実績の多い決済サービスは安心できますね。自社システムへの組み込みも容易でした。さらに他社と比べた時、決済手段の幅が広く、VISA/Masterに加えてJCB、AMEX、銀行口座支払いにも対応していることがよかったです。

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Azusaの構成図

データを取ることができるから、新しいビジネス発想が生まれる

——実際にAzusaが動き出した結果、社内にどのような変化が起きたのでしょうか?

楢本氏:実際に運用がはじまり、ユーザーのデータをリアルタイムで取得できるようになると、今井もそうですがメンバーから新しいビジネスアイデアが生まれてきました。データドリブンで、これまで思いつかないビジネスアイデアが生まれやすくなったと言えます。

今井氏:確かに、次のアクションが考えやすくなりました。例えば、柔軟にデータがとれるようになったので、多様なシステムやサービスへ多様な形式でのデータ連携を検討することができるようになりました。当社には毎日IDというお客様のIDがあるのですが、これを活用して、コンテンツとの連動やサービスとの連携が考えられるようになっていっています。また、これまでは課金システムの運用だけで時間をとられていたのですが、それがなくなり、ビジネスに集中できるようになりました。
私はAzusaリリース後はペイパルの運用担当もしているのでペイパルについてもいうと、ペイパルは収支のレポートが非常に見やすく、経理など他部署からの評判も高いです。シンプルに、私たち、そして経理部門の工数が削減できていますね。

Azusaのシステム障害は現在もゼロ、自社システムとSaaSの使いこなし力

森氏:2021年2月にスタートしたAzusaは、現時点(2021年11月上旬取材時)でも障害ゼロです。様々なシステムに関わってきましたが、うまくいっている印象です。だからこそ、さらなるチャレンジをしていきたい。最新のクラウド技術をキャッチアップしながら、ベストプラクティスを探っていきたいですね。

楢本氏:森や今井らとも話しますが、内製化を推進することで「ビジネスの棚卸し」ができてきたと感じます。私たち新聞社にとってどこがビジネスの要で、どこが不要なのか。より解像度があがった印象です。

森氏:システムを構築するにあたり、自社ビジネスを「要素分解」し、その要素がどのシステムやSaaSと連携させるべきかという「再構築」は必須業務です。このプロセスを経ることで、どこが重要か見えてくる。これまでは、それが見えないままサービスを導入した結果、不要な機能が盛りだくさんでコストも高いということもありました。

楢本氏:今回、それはなかった。SaaSに無理なカスタマイズもさせず、必要なものだけを取り入れて組み合わせるといった編集的な考え方で、スモールスタートを実現できたと考えます。

今井氏:森や楢本が話すようにSaaSはその分野でしっかり実績のあるところを選定しました。決済部分でペイパルを選んだのもそれが理由です。Zuoraとの連携実績もありますし、決済サービスとしても歴史・安定感がありました。実際に使ってみると、インタフェースも使いやすく、月次レポートの出力などこちらが欲しいところがしっかり用意されている印象です。会計部署とも作業効率があがったと話しています。

楢本氏:これまで新聞社というのは、販売は販売店任せでBtoCは得意な分野ではありませんでした。カルチャー的には作り手目線になってしまうところがあります。しかし、データ分析をしながらユーザーの動きをダイレクトに見ることで、使いやすさも含めた体験価値の向上を目指していきたい。それを支えるのがAzusaでありペイパルであると思っています。

窓辺に立って微笑む正装姿の 3 人の男性と 1 人の女性

□毎日新聞社様が「ペイパルを選んだ3つの理由」
1:SaaSとの連携実績
2:経理も納得のレポートの見易さ
3:自社のシステムへの組み込みやすさ

□毎日新聞社
https://www.mainichi.co.jp/

□毎日新聞社様が導入しているペイパルのサービス
https://mainichi.jp/

□お問い合わせ
https://www.mainichi.co.jp/contact/

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(※部署・役職名は取材当時のものです)

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